小学生の不登校を克服


多くの場合、「不登校」ときくと、中学生の悩みであると考えられがちですが、これは何も中学生特有の現象ではありません。高校生にだって、まわりがそれほど大事としてとらえないだけで、不登校の事例は中学生以上にありますし、また、小学生の不登校だって最近では非常に目立つようになってきているのです。

中には、「まあまだ小学生だから、そんなに心配する必要はないだろう・・・」などと、根拠もなく楽観視する人もいるようですが、実はそんなことはまったくないのです。というのも、中学生になってからの勉強のつまずきの多くが、小学校時代に勉強についていけなくなってしまった場合にみられるのです。

ですから、「小学生のうちだからよい」のではなく、

小学生の不登校は中学生の不登校よりも危険な可能性が大きい

と考えるべきです。中学生の場合、小学生にくらべて勉強の基礎の部分はしっかりできている可能性が大きいからです。一時的に不登校になってしまったとしても、勉強の基礎さえしっかりしていれば、取り戻すのに時間がかからない場合が多いのです。

小学生の不登校の場合、中学生のケースとは違って、その事情が入り組んでいない場合が多いかったのですが、最近はそれも一概には言えなくなってきています。ですから、中学生だからとか小学生だからということではなく、やはりどちらも非常に深刻なものであるととらえるべきです。

中学生にくらべて、小学生は精神的にもまだ未熟な場合がほとんどですから、「今後どうすべきか」という決定の判断の際に、誤った方向に進んでしまうリスクは大きくなるということを、親御さんや先生はしっかりと認識する必要があることだけは間違いありません。

小学生の不登校の場合、中学校に行ってもそのまま不登校になってしまうケースが非常に多いと考えられているため、できるだけ事態が大きくならないうちに克服することが望まれます。また、

中学生の不登校にくらべればはるかに解決しやすい

という傾向もあります。それは、中学生にくらべて原因がわかりやすいからです

ですから、積極的にヒントを探る行動が必要になります。ただし、その際には本人や本人にかかわる児童のプライバシーに注意して行動する必要があります。そういうときこそ冷静に行動しなければならないというのは、中学生のケースと同じです。また、親の力だけで解決しようと思うのではなく、学校の先生や相談員の方のアイディアを借りるということに関しても、中学生の不登校とまったく同じです。

小学生の不登校の原因


不登校の原因というのは、その件数の数だけ存在しているというと考えても大げさなことではありません。これは、小学生でも中学生でもまったく同じことです。よくある事例でお話すると、やはり「いじめ」というケースが思い当たります。ほかにも「勉強についていけなくなった」とか、「仲の良い友だちとケンカをした」、あるいは「親の甘やかしすぎ」などといった事例がありますが、しかし、そのいずれでもないケースもたくさんあり、小学生の不登校の原因がそう簡単に究明できるというものではありません

小学生の場合、まだ精神的にも肉体的にも未完成な状態ですから、大人、もしくはちょっと大人っぽい児童からすれば常識的なことであっても、その当人にしてみれば、何か不安に感じたり恐怖を覚えたりすることも考えられるのです。

小学生くらいのころは、精神面でも肉体面でも、成長の個人差が非常に大きくなりやすいため、大人がいくら考えても考え付かないような理由で不登校になってしまうことも珍しくありません

ですから、親や教師として大切なことは、

あらゆる可能性を原因の候補として考えておく必要がある

ということです。また、小学生の時分だと、なかなかこころから信頼できる友だちというのもいないケースのほうが多いでしょう。結果として、だれにも相談できず、ひとりで苦しんでしまい、不登校という道を選択してしまうのです。

ですから、事情がわかってしまえばそれほど深刻な理由ではない場合もありますが、しかし、不登校というのは、何らかの重大なサインであるケースも少なくありませんので、楽観視することなく、かといってあせることなく、最善を尽くしていただきたいと思います。

少しずつ解決に向かって前進することによって、よい結果を得ることができるはずです。それを信じて、慎重に、しかし確実に前進していただきたいと思います。

親は小学生の不登校とどう向き合うべきか


不登校が中学生に特有なものであるというふうに考える親御さんは意外と多いようですが、それは事実と異なるといわなければなりません。なぜなら、中学校で不登校になってしまう生徒の多くが、

小学校でも不登校を経験している

というデータが残っているのです。ですから、必ずしも「中学は中学、小学は小学」という具合に割り切って考えることができないのが、不登校のやっかいな特徴です。

その意味では、不登校の小学生を持つ親御さんとしては、やはり「今は仕方がない」と考えるよりは、やはり「中学になってからが心配だ」というとらえ方が必要になるでしょう。もちろんこれは、単に小学校時代に不登校を経験している児童が中学校になってからも不登校になってしまう可能性が高いからという理由だけではありません。小学校を不登校として過ごしてしまうと、中学生になってから勉強についていけなくなってしまうというリスクが大きくなるからです。

中学校に入ってから不登校になるというケースでは、小学校の勉強さえしっかりと身についていれば、比較的長い期間の不登校であったとしても、持ち直してしまう生徒が意外と多いものです。もちろん、どの生徒もそうであるというものではありませんが、そういう傾向は確かにあります。

しかし、小学生の児童が不登校になってしまって勉強が遅れてしまうと、結果的に

「取り返しがつかない」という遅れになってしまうことが多い

のです。

しかしだからといって、児童本人が学校に行きたがらないのに、親が無理やり学校に通わせようとするのはむしろマイナスが大きくなってしまいます。一番理想なのが、不登校の原因をしっかりと究明して、その原因を完全に排除して、本人に納得させて学校に復帰してもらうという方向で解決するという考え方です。その際に大きな問題になってしまうのが、

「親の焦り」です

親であれば、お子さんの不登校にあせらない人はいないでしょうが、しかしそこは冷静に、お子さんにとってもっともよい方向で事態を解決するということを徹底すべきでしょう。また、親御さんの責任感があまりにも強すぎてしまうと、親だけで解決しようとしてしまうことになりがちですが、それもむしろマイナスになってしまうことが多いです。

客観的な目があるから冷静でいられるというケースも少なくないのです。そのあたりのこともしっかりと踏まえながら、事態の解決を目指すようにしていただきたいものです。

不登校の小学生に対する対応


かつては、特別な事情を除いてほとんど存在しなかった小学生の不登校が、近年にわかに増加傾向にあるのです。小学生の不登校に関しても、やはり学校側が何らかの対応をすることになりますが、問題なのは、

親御さんがどう対応したらよいか

というところでしょう。

まあそういう経験を何度もお持ちだという保護者の方はおそらくそうたくさんはいらっしゃらないと思いますので、当然これまでにほとんど経験されていない難しい場面に直面しなければならないことになるのです。

親としてどう対応したらよいのか、これは非常に難しいところです。そんなとき、一番まずいのが、お子さんの気持ちを考えずに、ただ「学校に行きなさい!」と叱ってしまうことです。

小学生はまだ精神的にも肉体的にも成熟していないのはもちろんですが、その心が不安だからこそ「不登校」という道を選択しているわけです。そんな状況で、一番信頼できるはずの親御さんから、自分の心のことなどまったく触れずに、「学校へ行きなさい!」などと言われてしまったら、小さな心に大きな傷をつけてしまうことになりかねません

では、いったいどんなふうに対応すればよいのか・・・ということに当然なるわけですが、とにかく大切なことは、

大きな声で叱らない、登校することを強要しないこと

です。そして、たとえば学校の先生であるとか、学校の相談員、地域の相談員の方に積極的に相談することが大切です。

親だからといって、子供の問題に深く踏み込むことができないこともあるのです。親御さんとして大切なことは、まずそのことをよく理解することではないでしょうか。第三者の意見を聞くことで、案外冷静になれるものです。

不登校の小学生の卒業式


近年は、インフルエンザなどで卒業式に出席できない生徒もいるという話をときおり耳にしますが、しかし卒業式に出席できない児童は、インフルエンザだけが理由ではありません。インフルエンザも深刻であるとは思いますが、しかし考えようによってはもっと深刻である「不登校」がその理由である場合も珍しくありません

不登校とはいっても、卒業式にだけは何とかがんばって主席するという児童もいるようですが、しかし相変わらず卒業式でもどうしても出席できない児童も当然います。また、登校だけはするものの、保健室など別の場所で卒業式を迎えるというケースもあるようです。

こういう話を聞いてしまうと、本当に心が痛むのですが、しかしおそらく児童本人はもっと辛い思いをしている訳ですから、卒業式を迎えるにあたって、親御さんも先生も冷静に対処しなければならないという思いはより強くなります

できることなら、卒業式だけは出席してもらいたいというのが親御さんや先生の本心でしょう。それに、もしかしたらだれよりも児童本人が卒業式だけはみんなと一緒に出席したいとこころの中で叫んでいるのかもしれません。ただ、ここにひとつのヒントがあります。というのは、上でも触れたように、「卒業式だけは出席する不登校児童がいる」という部分です。

これは、「卒業式だけはみんなと一緒に出席したい」というこころの叫びが具現化した形であるといえるのかもしれないからです。そして、たとえ卒業式であったとしても、これは立派な「学校復帰」です。これがきっかけとなって、不登校から脱したという児童、いや、中学生となった生徒さんも過去には数多くいました。

ですから、確かに「卒業式だけは・・・」とか「みんなと一緒に・・・」といった感情的な部分は大切ではありますが、それよりなにより、

卒業式こそ学校復帰への大きな手がかりになる

可能性が考えられるのです。

生徒にとっても先生にとっても、もちろん親御さんにとっても重要な行事である卒業式を利用するようでなんとなく後ろめたい気がしないでもないですが、しかし、不登校の児童が中学生の生徒になって、見事学校復帰を果たせるのだとしたら、そんなに素晴らしいことはありません

もちろん、卒業式だって、長い小学校生活の中のたった1日に過ぎないととらえる不登校児童もいるとは思いますが、卒業式をひとつの大きな可能性であると考えると、当面の目標ができるという意味で、非常に有意義な一日ということになるのではないでしょうか。


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